こんにちは!こきゅまです。
今日は、国内トップの通信会社「日本電信電話(NTT)」について、業績や財務状況などを分析・考察し、
高配当株として「NTT」は優良銘柄なのか、評価しました。
※当サイトは、当該企業について、管理者個人が評価したものであり、当該株式の売買を推奨するものではありません。当該株式の売買等で損失等が発生したとしても、当サイトは一切の責任を負いかねます。売買に際しては、自己責任・自己判断でお願いします。
※2024年5月19日時点での内容です。
【結論】評価結果
最初に結論です。総合評価は「A」ランクとなりました。
項 目 | 評 価 |
---|---|
業 績 | A |
財務状況 | C |
配 当 | S |
将 来 性 | A |
総合評価 | A |
評価される点
- 売上高、営業利益、EPSともに、右肩上がりに上昇しており、2024/3期に過去最高を達成
- ROEも徐々に上昇しており、直近は15%程度と優良
- 配当金は、2011年度より13期連続増配中、2000年度から24期非減配
- 配当額は、1.7円(2014/3期)⇒5.1円(2024/3期)と10年間で3倍に成長
- 配当方針は、継続的な増配を目指す
- 配当性向は、33.8%(直近)で、余力あり。
- 大規模な自社株買いを、過去10年間で毎年実施
- 2027年度までに行う約8兆円の成長分野への投資への期待
- 6Gを含むIOWNや光電融合デバイスといった次世代の通信技術の開発への期待
- 最新の通信技術と融合するAIや金融サービスなどの多様なサービスへの期待
懸念する点
- 今期(2025.3期)は増収減益で、ROEも低下
- KDDIやソフトバンク、MVNO等のライバル企業との熾烈なシェア争いと価格競争の懸念
- 国内の人口減少による携帯電話契約数等の減少懸念
【概要】NTTってどんな会社?
docomoブランドを中心に携帯電話事業を手掛ける最大手の電気通信事業会社で、連結子会社967社、従業員数約34万人のNTTグループを統括する持株会社。
携帯キャリア会社の契約数シェアは約36%で第1位。
情報通信事業を中心として多方面にわたる事業は、4つに大別される。
日本電信電話株式会社より
【業績】これまでの業績を見てみよう
業績については、「A」ランクと評価します。
- 売上高、営業利益、EPSともに、右肩上がりに上昇しており、2024/3期に過去最高を達成。
- ROEも徐々に上昇しており、直近は15%程度と優良。
- しかしながら、2025.3期は減益予想でROEも低下する見込み。
- 過去10年間で赤字はなし。
ROEとは?
- 株主が出資したお金を元手に、どれだけの利益をあげれたのかを示す指標。
- ROE=(当期純利益)÷(自己資本)×100 で求められる。(当サイトでは、自己資本ではなく、株主資本を使用)
- ROEが高いほど、株主の資本を上手に使って利益を稼いでおり、ビジネスの質が良いと言える。
- 一般的に10%を超えると優良企業と言われる。なお、日本国内の上場企業の中央値は7.5%程度である。
■前期(2024.3期)の業績について
2024.5.10に本決算が開示され、増収増益となりました。
- 売上高 :1.8%の増(前期比)、進捗率102.4%
- 営業利益 :5.1%の増(前期比)、進捗率98.6%
- 当期純利益:5.5%の増(前期比)、進捗率102.0%
この事業規模で5%以上の利益成長は、素晴らしいですね。
■今期(2025.3期)の業績予想について
今期(2025.3期)は、増収減益となります。
- 売上高 :0.6%の増(前期比)
- 営業利益 :5.9%の減(前期比)
- 当期純利益:14.0%の減(前期比)
アナリスト予想は増収増益であるため、保守的な見通しと見ることもできますが、今後の進捗には注意が必要ですね。
【財務状況】財務状況を確認しよう
財務状況については、「C」ランクと評価します。
- 株主資本比率は、34.9%(直近3カ年平均)で基準はクリアしているが、もう高いとなお良い。
- 流動比率は、94.1%(直近)でやや不安が残る値。
- 営業CFは、多少の波はあるが、安定してプラス。
- 現金等は、一定額を確保しているが、少し不安のある額。
株主資本比率とは?
- 総資産における株主資本の割合で、企業の長期的な安全性を表す指標。
- 株主資本比率=(株主資本)÷(総資産)×100 で求められる。
- 株主資本比率が高いほど、総資産に占める負債等の割合が少ないことを意味し、財務が健全な状態と言える。
- 一般的に30~40%程度あると、倒産リスクは低いと言われる。なお、日本国内の上場企業の中央値は52.2%である。
流動比率とは?
- 流動資産と流動負債の割合で、企業の短期的な安全性を表す指標。
- 流動比率=(流動資産)÷(流動負債)×100 で求められる。
- 流動比率が高いほど、企業の短期的な支払い能力が高いことを意味し、財務が健全な状態と言える。
- 流動負債(借金)を全て返せるように、一般的には最低100%以上はほしいと言われる。なお、日本国内の上場企業の中央値は207.4%である。
流動比率や現金等の額に、少し不安の残る結果となりました。
通信インフラを支える大企業で、事業規模が大きく、業績もこれまで順調なため、大丈夫だとは思いますが、注意するに越したことはないですね。
【株主還元】株主への貢献を見てみよう
株主還元については、「S」ランクと評価します。
- 配当金は、2011年度より13期連続増配中、2000年度から24期非減配。
- 配当額は、1.7円(2014/3期)⇒5.1円(2024/3期)と10年間で3倍に成長。
- 配当方針は、継続的な増配を目指す。
- 配当性向は、33.8%(直近)で、余力あり。
- 大規模な自社株買いを、過去10年間で毎年実施。
- 株主優待あり(dポイント)
当企業で最も評価される点は、13期連続増配中であり、2000年度から24期非減配であることです。
ITの普及・拡大による恩恵を最大限に受けてきた企業のひとつであり、業績とともに配当も成長してきた様子が伺えます。
配当方針としても増配を目指すことを明記しており、高配当株投資家として心強いですね。
配当性向も30~40%前後で安定しており、余力がある点も評価されます。
【将来性】これからの会社の成長性と業界の見通し
将来性については、「A」ランクと評価します。
- 国内大手の事業規模とシェアを活かした積極的な事業拡大への期待。
- 2027年度までに行う約8兆円の成長分野への投資への期待。
- 6Gを含むIOWNや光電融合デバイスといった次世代の通信技術の開発への期待。
- 最新の通信技術と融合するAIや金融サービスなどの多様なサービスへの期待。
- KDDIやソフトバンク、MVNO等のライバル企業との熾烈なシェア争いと価格競争の懸念。
- 国内の人口減少による携帯電話契約数等の減少懸念。
【参考】株価は安い?高い?(バリュエーション)
過去の5年間の実績に対して、現在の株価151.8円(2024/5/17終値)が高いのか、低いのかを評価します。
用いる指標は、下記の3つで、過去5年間レンジとの相対比較です。
・予想PER
・実績PBR
・実績配当利回り
それでは、見ていきましょう。
- 予想PERは、11.6倍と平均的なレベル。(平均が11.3倍)
- 実績PBRは、1.30倍と平均的なレベル。(平均が1.37倍)
- 予想配当利回りは、3.43%と高水準。(平均が2.87%)※株式分割を実施した影響で、予想配当利回りの推移が確認できないため、実績配当利回りで評価しています。
マネックス証券株式会社より
バリュエーションとしては、平均~割安な結果となりました。
- 株価は、コロナで急落したあと底値をつけ、上昇トレンドとなっています。
- 直近は、2024.1に高値を付けたあと、下落しており、多少の割安感が出ています。
当企業は、これまで着実に成長し、利益を積み重ねてきました。株価も業績に連動し、長期的に見ても上昇を続けています。成長を続ける企業では、株価が大きく下がるタイミングは少なく、投資のチャンスがなかなかありません。
しかしながら、直近では株価が下がっており、高値から20%以上、下落しています。配当利回りの視点では、魅力が出てきており、これまでなかなか下がらなかったことを踏まえると、買いを検討しても良いのかもしれません。
ただし、私が別途、独自に分析したバリュエーションでは、まだ下値の目途ではありません。今期が減益なこと、予想PER・実績PBRの指標ではバリュエーションは平均レベルなことも踏まえ、更なる下落の可能性も考えておくべきでしょう。
参考までに、信用買い残が増えていることにも注意が必要です。
信用買い残とは?
- 信用取引で買われた株式の残高のこと。
- 信用取引とは、証券会社から資金や株を借りて株を買ったり、売ったりすること。
- 信用買い残が多いと、お金を借りて株を買っているということで、借りている間は利息が発生する。
- 加えて、返済期限があるため、買い残が大きくなると後の売り圧力になると言われている。
【参考】補足やその他の考察
当企業は、通信インフラを支える主要企業として成長を続けてきた国内で有数の企業です。
これまでの業績は申し分なく、テクノロジーの進化が進む情報通信業界は引き続き旺盛な需要が期待され、さらに株主還元にも積極的と、高配当株投資の主力となりえる結果となりました。株価も業績に連動して上昇を続けており、長期的に見ても右肩上がりとなっています。
一方で、国内に目を向けると主力の携帯電話事業について、国民への普及は一服し、人口減少時代に突入した今、さらなる成長ができるかは、通信サービスの付加価値や融合するその他のサービスの推進にかかってきています。
投資を行うに値するかは、これまでの成長を維持できるかがポイントになってくるかもしれません。
また、携帯電話事業では、KDDIやソフトバンクをはじめ、楽天グループやMVNO等のライバル企業との熾烈なシェア争いが起きています。ライバル企業のひとつである、国内2位のKDDIについても評価していますので、ぜひ参考にしてください。
投資は、リターンを得るためには、どこかでリスクを負う必要があります。
みなさんの参考になれば、幸いです。
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なぜマネックス証券を選んだのか、記事にしているので、参考にしてみてください。
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